虫歯は自分でわかる?確実な確認方法と早期発見のポイント
「虫歯かもしれない」
「虫歯かどうか自分で調べる方法が知りたい」
などとお考えではありませんか?
初期虫歯になると、歯に穴が開いたり歯の一部が黒くなったりするため、自分で発見することができます。
しかし、見た目だけでは虫歯に気づかないこともあるため、歯医者で検査を受けて、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
こちらの記事では、虫歯かどうか確かめる方法とセルフチェックの項目、初期虫歯を発見した時の対策について解説しています。
目次
虫歯かどうか確かめる方法は?歯痛以外の虫歯の症状
虫歯は歯が痛むだけでなく、その他さまざまな症状を引き起こします。虫歯になると歯には以下のような異変が起こります。
- 歯に穴が空く
- 歯の一部が黒くなる
- フロスや糸ようじを使うと引っ掛かる
「歯が痛い=虫歯」ではありません。歯の痛みを感じる前に、歯に穴が空いたり黒くなったりするので、鏡を使って虫歯チェックを行いましょう。
ただし、虫歯は見た目だけではわからないことも少なくありません。自分で確かめるのはあくまでもその場のみで、歯医者を受診して検査を受けるようにしましょう。
また、虫歯の早期発見・早期治療を行うためにも、歯に異状がないうちから定期的に予防歯科を受けることも大切です。
虫歯のセルフチェック
以下の項目に一つでも当てはまる場合は、虫歯の可能性があります。
- 歯と歯茎の境目が白くなっている
- 冷たいもの・熱いものがしみる
- 歯に穴が空いている
- 歯に黒い部分がある
- 噛むと痛みを感じる
- 何もしていなくても歯が痛い
歯の白いくすみは虫歯の初期症状で、歯の表面のエナメル質が溶けはじめている状態です。歯の痛みを感じはじめるころには、虫歯が進行している可能性が高いです。
セルフチェックを行う際は、市販のデンタルミラーなどを利用すると虫歯を発見しやすくなります。
歯医者を受診する前に自身で虫歯かどうか確認したい場合は、上記のチェック項目をぜひ参考にしてください。
虫歯の初期症状は?5段階の進行状況別の症状
虫歯の進行状況は大きく5段階に分けられます。次の表は、虫歯の初期症状から重度の虫歯の症状までまとめたものです。
進行度 | 症状 |
---|---|
C0![]() |
・歯の表面のエナメル質が溶け始めている状態(脱灰)
・虫歯の穴はまだ空いていない ・痛みがなく自覚症状も少ない |
C1![]() |
・歯に穴が空きはじめている段階
・歯の表面に茶色いシミができることがある ・甘いものがしみやすくなる |
C2![]() |
・歯の内部の「象牙質(ぞうげしつ)」まで虫歯が進行している段階
・噛むと痛みを感じたり冷たいものがしみたりする ・象牙質まで達した虫歯は進行が早い |
C3![]() |
・虫歯が神経にまで達した段階
・熱いものがしみる ・何もしていなくても激しく痛む |
C4![]() |
・歯茎の外に出ている部分がほとんど失われた段階
・何もしていなくても激しく痛む ・神経が死んで逆に痛みを感じなくなることがある |
C0の段階では痛みをあまり感じないため、自覚症状もほとんどありません。正しいブラッシングやセルフケアを心がけることで、虫歯の進行を防ぐことができます。
虫歯は一度進行すると自然に治ることはないので、少しでも違和感や異状、痛みなどを感じたら早めに歯医者を受診しましょう。
(関連記事)虫歯の進行度に応じた治療の流れ|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
虫歯と間違えやすい症状
虫歯に似た症状を示す口腔内トラブルがいくつかあります。これらを区別することで、不必要な心配を避け、適切な対応ができます。
知覚過敏との違い
知覚過敏の特徴:
- 冷たい刺激で一時的にしみる
- 刺激がなくなると痛みもすぐに消える
- 特定の歯に限らず複数の歯で起こることが多い
- 視覚的な変化(変色や穴)は見られない
虫歯との違い: 知覚過敏は歯の根元が露出することで起こる一時的な痛みで、虫歯のような進行性はありません。また、甘いものでの痛みは虫歯の特徴的な症状です。
着色・ステインとの見分け方
着色・ステインの特徴:
- 茶色や黒色の変色だが表面は滑らか
- コーヒー、お茶、タバコなどの着色物質の付着
- 痛みや不快感はない
- 歯科クリーニングで除去できることが多い
虫歯との違い:
着色は表面的なもので、触ると滑らかです。一方、虫歯は変色部分がざらついていたり、くぼんでいたりします。また、着色では痛みやしみる感覚は生じません。
エナメル質形成不全と虫歯
エナメル質形成不全の特徴:
- 生まれつきの歯の構造異常
- 白や茶色の斑点が生え始めから存在
- 対称的に同じ位置の歯に見られることが多い
- 進行性はない
虫歯との違い:
エナメル質形成不全は発育過程での問題で、後天的に進行する虫歯とは異なります。長期間変化がなければ形成不全の可能性が高いですが、弱いエナメル質は虫歯リスクを高めるため、特に注意が必要です。
(関連記事)知覚過敏の5つの治療法とは?歯がシミる原因を徹底解説
年齢別の虫歯の特徴と対処法
年齢によって虫歯の発生パターンや特徴が異なります。年齢に応じた注意点を知ることで、より効果的な予防と早期発見が可能になります。
子供の虫歯の特徴と注意点
乳歯の虫歯特徴:
- 進行が速い(エナメル質が薄いため)
- 上の前歯から始まることが多い
- 甘いものの頻繁な摂取による「哺乳瓶う蝕」のリスク
- 痛みを上手く訴えられないことがある
チェックポイント:
- 白い線状の変色(特に歯と歯茎の境目)
- 食事中の不機嫌さや食べ方の変化
- 歯ブラシでの出血
予防と対応:
- 仕上げ磨きの徹底(10歳頃まで必要)
- フッ素配合歯磨き剤の適量使用
- 間食のコントロールと規則正しい食習慣
- 3歳からの定期検診
厚生労働省の調査によると、3歳児の約20%、12歳児の約50%が虫歯を経験しています。
早期からの予防意識が将来の口腔健康に大きく影響します。
成人・高齢者の虫歯の特徴
成人の虫歯特徴:
- 歯と歯の間(隣接面)や詰め物の周囲に発生しやすい
- 歯周病との併発リスク
- ストレスや生活習慣病との関連
高齢者の虫歯特徴:
- 露出した歯の根の部分(根面う蝕)が増加
- 唾液分泌量の減少による自浄作用の低下
- 薬の副作用による口腔乾燥
- 手先の不自由さによる口腔ケアの難しさ
対応策:
- デンタルフロスや歯間ブラシの使用
- 保湿成分配合の口腔ケア製品の活用
- 定期的な歯科受診(治療よりメインテナンス重視)
- 必要に応じた介助歯磨きの実施
初期の虫歯を発見した時の対策
ここまで、虫歯の段階別に主な症状を解説してきました。初期虫歯を発見した時は、大きく次の3つの対策が必要です。
- フッ素配合の歯磨き粉を使用する
- 定期的にデンタルフロスで歯間の歯垢を除去する
- キシリトール配合のガムを噛む
初期虫歯の対処法として、ホームケアを行うことが重要です。歯磨き粉を変えたり、デンタルフロスを使用したりすることで、虫歯の進行を抑えられる可能性があります。
それぞれの詳細についてみていきましょう。
対策①フッ素配合の歯磨き粉を使用する
まずはフッ素入りの歯磨き粉でブラッシングしましょう。
フッ素とは、脱灰した歯を元に戻す「再石灰化」を行うために有効な成分です。
フッ素配合の歯磨き粉はドラッグストアや薬局で購入できるほか、歯科医院で高濃度のフッ素配合歯磨き粉を購入できることもあります。
また、歯磨き後にも気をつける必要があります。歯磨き後にたくさんうがいしてしまうと、フッ素が流されてしまい、再石灰化を促すことができません。
さらに歯磨き後すぐに飲み物を飲むと、フッ素の定着を妨げてしまいます。
初期虫歯のホームケアはフッ素塗布入りの歯磨き粉を使用し、歯磨き後はフッ素が定着するよう気をつけましょう。
対策②定期的にデンタルフロスで歯間の歯垢を除去する
セルフケアは歯磨きだけでは不十分です。
歯ブラシでは歯の表面を磨くことができても、歯と歯の間の歯垢・歯石まで除去するのは困難です。歯ブラシだけだと歯間に歯垢・歯石が残って、そこから虫歯が進行する可能性があります。
また、歯間に虫歯ができていると歯がざらざらになります。デンタルフロスを使用すると抵抗があり、繊維がブサブサになるので、虫歯の早期発見にもつながりやすいです。
定期的にデンタルフロスを使用して、歯間の歯垢も除去しましょう。
対策③キシリトール配合のガムを噛む
キシリトールガムを噛むのも、初期虫歯の対策の一つです。
歯の再石灰化には、唾液に含まれるカルシウムやミネラルといった成分が必要です。キシリトールガムは人工甘味料でできており、甘みが味覚を刺激し、唾液が多く分泌されます。
さらに、人工甘味料は虫歯の原因となる酸を作らないため、噛んでも虫歯を促進することがありません。
そのため、初期虫歯を発見したら、意識的にキシリトールガムを噛むようにしましょう。
初期の虫歯は早期治療が大切!歯を削らずに済むことがある
ここまで、初期虫歯を発見した時のホームケアについて解説してきました。しかし、初期虫歯は歯医者を受診して早期に治療を受けることが何より大切です。
歯医者での具体的な治療法には次の2つがあります。
- フッ素塗布
- ブラッシング指導
フッ素配合の歯磨き粉もありますが、歯医者では直接フッ素を塗布することができます。歯磨き粉でフッ素を歯に付着させるよりも有効です。
また、歯医者では正しい歯磨きの仕方を教えてもらえます。
歯磨きを行っても、やり方が間違っていると歯垢・歯石をキレイに除去することができません。正しいブラッシング方法を行うことで、より虫歯の進行抑制につながります。
初期虫歯の場合は歯を削らずに治療できることがあるので、虫歯が進行してしまう前に、できる限り早い段階で歯医者を受診しましょう。
(関連記事)虫歯初期の症状は痛みがない?初期虫歯を修復する3つの治療法|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
虫歯の確認・治療は湘南ライフ歯科へ
虫歯になると、以下のような症状が起こります。
- 歯に穴が空く
- 歯の一部が黒くなる
- フロスや糸ようじを使うと引っ掛かる
虫歯はセルフチェックで見つけることもできますが、中には見た目ではわかりづらい虫歯もあります。自覚症状がないまま進行する可能性も少なくありません。
少しでも違和感を感じた場合や、数ヶ月歯医者を受診していない場合は、歯医者で診査診断を受けてみましょう。
湘南ライフ歯科では患者さまのお口の状態を検査して、一人ひとりに合った治療をご提案いたしますので、お気兼ねなく当院をご利用ください。
このコラムの監修者

小林 浩
Hiroshi Kobayashi
所属学会
日本口腔外科学会 |
日本口腔インプラント学会 |
認定・資格
歯学博士(口腔外科学専攻) |
日本口腔外科学会認定医 |
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導医 |
アメリカ心臓協会(AHA) BLSヘルスプロバイダー |