虫歯の治療法と虫歯を防ぐ方法について
こんにちは。
藤沢駅南口より徒歩3分の歯科医院【湘南ライフ歯科】です。
虫歯の初期は無症状であるため、気づかずそのまま放置してしまい、痛みが出る頃にはかなり進行しているケースがあります。
虫歯は早期に発見し初期の段階で治療することで、治療日数も短くなり費用も抑えられます。
虫歯になりやすい人とそうでない人がおり、虫歯になりにくい人はセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアをうまく利用しているケースが多いです。
そこで本コラムでは、虫歯の治療方法と虫歯を防ぐ方法についてご説明します。
目次
虫歯とは
虫歯治療や虫歯を防ぐ方法を理解するには、虫歯が進行していく過程を知っておく必要があります。
虫歯は、進行段階によって治療方法が異なるためです。
虫歯の原因であるミュータンス菌はどこからくる?
虫歯になる原因は、ミュータンス菌によるものです。
ミュータンス菌は人の口腔内には元々存在しない菌で、親から子へ感染するといわれています。
特に生後1歳7か月〜2歳7か月頃に感染することが多いです。
この時期は、離乳食を食べる時期と重なっているため、親と子が同じスプーンなどを使うことによって感染すると思われます。
虫歯は遺伝することがないため、この期間に同じスプーンを使わないなど唾液による感染経路を絶つことで、子どもの虫歯を防ぐことにつながるといえます。
虫歯になりやすい人とは
正しい歯磨きができていない方や、口腔内に食べ物がある時間が長い方は、口腔内が常にミュータンス菌が増殖しやすい環境になっています。
ミュータンス菌は、食事などで摂取する食べ物や飲み物に含まれる糖分が栄養です。
糖分が口腔内に残っていると、活発に働きプラークを作りだし、プラークに含まれる酸によって歯が溶けてしまいます。
食べ物や飲み物を摂取したあとは必ず歯磨きをする、甘いものを避けるなど努力しているのに虫歯になりやすい人のなかには、唾液の出る量が少ないケースがあります。
唾液には、ミュータンス菌によって溶かされた歯質を再石灰化する働きがあり虫歯を防ぐことも可能です。
唾液の出る量は、加齢やストレスによっても減ってしまうことがあります。
それ以外にも口腔内が乾きやすくなる副作用のある薬を飲んでいる場合や、無意識に口呼吸している場合も唾液量が減少します。
原因が不明な場合は、歯科医院を受診して原因を明確にするのもいいでしょう。
虫歯は放置せずに早めに治療する
虫歯に気づいていながら、歯科医院の受診を先延ばしにしている方も意外に多くいらっしゃいます。
虫歯治療に対して「痛い」「怖い」というイメージを持っている方にとっては、治療を避けたい気持ちがあるのは自然なことでしょう。
ただ、虫歯は放置すると進行し痛みも強くなりますし、最悪の場合は歯を失ってしまうことになりかねません。
虫歯がひどくなれば、治療費も時間もかかってしまいます。
虫歯は放置せず、早めに歯科医院で受診し治療しましょう。
虫歯治療は神経まで抜くのは古い?
虫歯治療にうしろ向きな気持ちを持つ方のなかには、「虫歯がひどいと歯を抜かれるかも」と思っているケースがあります。
確かに、かつては虫歯がひどく、神経まで達した歯は抜かれることが多かったです。
虫歯治療などで歯科医院を受診したときに歯の状態をチェックしますが、「C」といった聞きなれない用語が使われ気になっている方もいるのではないでしょうか?
「C」とは、虫歯の進行状態を表したものです。
数字が大きくなるほど虫歯が進行していることを示しており、「C3」は神経まで虫歯が進行しているため歯科医院によって歯を抜いてしまう場合もあるのです。
一方で、歯を抜かずに根管治療を行う歯科医院もあります。
根管治療は、歯の神経を取り除き空洞になった根管を洗浄・除菌したあと、薬剤を詰めてかぶせ物をする治療です。
根管治療は、5〜6回の通院が必要になることもあり、時間がかかるため治療費もかかります。
そのため、根管治療が必要になる前に虫歯に気付き、治療をすることが大切です。
また近年では、神経を残し虫歯治療が可能なMTA覆髄(ふくずい)治療を行う歯科医院もあります。
MTA覆髄治療(歯髄保存治療)とは?
一般的には、虫歯が歯髄(神経)に達すると歯髄を取る処置が行われます。
歯髄を抜いた歯を「失活歯」といい、数年後には突然割れてしまうこともあります。
失活歯は、ミュータンス菌による攻撃にも弱くなるため虫歯にもなりやすくなります。
失活歯になったのちに虫歯になってしまうと、歯を抜かなくてはならない可能性が高くなります。
神経を抜くことで痛みを感じなくなるだけではなく、歯の寿命も短くなってしまうのです。
近年、虫歯治療において神経を残したまま治療ができるMTA覆髄治療があります。
この治療法は、虫歯を完全に取り除いたあと神経を無菌化し、空洞になった部分をMTAセメントで封鎖する治療です。
神経を残し生活反応も保存する方法であり、二次的な虫歯リスクも軽減できます。
MTA覆髄治療は、保険適用の治療ではなく治療費は歯科医院によって異なります。
また、虫歯の状況や歯科医院の設備などで、すべてのケースに用いることができるわけではないため、歯科医院に相談してみましょう。
虫歯の予防方法
厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査(統計表)」によると、奥歯は前歯の約20倍も虫歯になりやすいことがわかっています。
虫歯を予防するには、毎日の歯磨きなどセルフケアを行うことが大切です。
セルフケアでできることとは
奥歯は磨きにくい場所にあるため、歯ブラシ選びや磨き方を知って虫歯を予防することが大切です。
虫歯予防を目的として歯ブラシを選ぶ際は、歯ブラシのヘッドが奥歯に届く大きさであることがポイントです。
また、ヘッドの横幅が細いものは、歯と歯茎の境目を磨きやすく、ヘッドの横幅が広いものは歯面に対して安定しやすくなります。
歯の配置や大きさ、口腔内の状況は、人それぞれです。
自分に合う歯ブラシを選ぶことも虫歯の予防につながります。1本ではなく複数本を使い分ける、デンタルフロスを一緒に使ってプラークを残さないようにする、といった工夫をするといいでしょう。
それ以外にも甘いものが欲しくなったときには、キシリトール入りの菓子を活用するのがおすすめです。
ミュータンス菌は、キシリトールから酸を作ることができません。
また、甘みの強いキシリトールを摂ると唾液が出やすくなり、虫歯予防にもつながります。
歯科医院での虫歯予防とは
歯磨きだけでは完璧に歯の汚れを取ることができないため、虫歯予防はセルフケアだけでは十分とはいえません。
定期的に歯科医院へ通院して、口腔内の状況をチェックし磨き残しをフォローする必要があります。
また、フッ素塗布を行い虫歯になりにくい歯を維持することも重要です。
フッ素は市販でもありますが、より効果が期待できる濃度のフッ素ジェルを用いることができるのは、歯科医師か歯科衛生士のみです。
歯科医院での虫歯予防は、ブラッシング指導やクリーニングなどを行うため、セルフケアをフォローするためにもおすすめです。
まとめ:プロフェッショナルケアでしっかり虫歯を予防しよう
虫歯治療や予防するための方法についてまとめると以下の通りです。
- ・ミュータンス菌は食べかすなどに含まれる糖分を使ってプラークを作り出し、酸によって歯が溶けると虫歯になる
- ・ミュータンス菌は唾液により感染する
- ・ミュータンス菌が増殖しやすい環境を口腔内につくらないことが虫歯予防では重要
- ・虫歯治療において、神経を残したまま虫歯治療ができるMTA覆髄治療がある
- ・虫歯予防は、セルフケアとプロフェッショナルケアを一緒に行うことが大切
歯科医院による虫歯予防を、年に2回以上行うことがおすすめです。
虫歯になりにくい口腔環境をつくることもできますし、万が一虫歯ができてしまっても早期に発見できるため治療費・時間を抑えることができます。
当院では、コラム内で紹介した「根管治療」を取り入れています。
虫歯治療の流れについては、以下のコラムを参考にしてみてください。
虫歯の進行度に応じた治療の流れ|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
また、表面麻酔・電動注射器・マイクロスコープを使用した痛くない虫歯治療を保険診療しております。
患者さまのご意見を確認しながら治療を進めていくため、希望しない場合には、根管治療を行うことはありません。
虫歯治療や虫歯予防についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このコラムの監修者
小林 浩
Hiroshi Kobayashi
所属学会
日本口腔外科学会 |
日本口腔インプラント学会 |
認定・資格
歯学博士(口腔外科学専攻) |
日本口腔外科学会認定医 |
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導医 |
アメリカ心臓協会(AHA) BLSヘルスプロバイダー |