根管内に残っていたファイルを除去
こんにちは!湘南ライフ歯科藤沢のTC前田です🐰❤️
今回は根管内にファイルが残っていた患者様の、ファイルを除去する症例のご紹介です🦷
こちらの患者様は元々左上6番の歯に神経の治療がされていたのですが、根の先に膿が溜まってしまっています。(根尖病巣)
レントゲンで根の周りが黒く写っており、再根管治療(感染根管治療)が必要なことがわかります。
また、レントゲンをよく見ると、根の中に以前治療された際のファイルが折れて残っているのがわかります。(写真右側赤い線の箇所)
根管治療では、根管形態に適応した『リーマー、ファイル』と呼ばれる治療器具を使用します。
この『ファイル』という器具ですが、繰り返し、もしくは雑に使うと非常に細く折れやすい特徴を持っています。
『ファイル』とは、いわば針のような器具です。これを使って、根管内を綺麗に清掃します。

なぜなら、歯の根の中の根管というものは、曲がっていたり、枝分かれしていたりしていて、とても複雑な構造をしています。
根管が複雑に曲がっているが故に、何回も使いまわすと何回も曲げられて金属疲労を起こし、そこに無理な(雑な)ファイルの操作力が掛かると根管の壁に食い込んで『ファイル』が根管の中で折れ込みます。
研究報告によると、数%の確率で生じます。
これら、根管治療に使用する器具(リーマー、ファイル)は通常、ステンレス製かニッケルチタン製なので、 根管の中に残っても溶けたり腐蝕したりしないので、これら金属が残っていても、体に影響をおよぼすことはほとんどありません。
では、『破折ファイル』の何が問題なのかという点です。
折れてしまった『ファイル』が根管の壁に食い込んで引っかかってしまい、簡単には外れず『ファイル』が根管を塞いで、その後の根管治療に支障をきたしてしまう事です。
つまり、再根管治療の時に、この『破折ファイル』が障害物になってしまうということです。
『破折ファイル』が残留していたとしても、痛みが無かったり歯の根の周りに膿が溜まっていないようなら、ファイルが根管の中に残っていても大きな問題にならない事もあります。
通常は、根管に折れ込んだファイルは除去を試みますが、歯根の周りに膿が無く根管に細菌感染が無いことが考えられる時は、ファイルを除去することによって根を傷めてしまう恐れがある場合、あえて除去せずに根管治療を完了する場合もあります。
破折ファイルは除去が難しいことも多く、しっかり根管に食い込んでしまうと、通常の根管治療では除去できずに、そのままになってしまいます。そうなると再根管治療がそれ以上進まないということを起こすのです。
以下が治療途中の根管内のファイルを取り除くところの動画になります🎥
【治療内容】
分析(1時間)¥33,000-
※ファイル除去は保険外の治療(¥110,000)となります。
担当医 Dr.小林